シンデレラガールとルーキーの甘酸っぱいやりとりに、胸がときめいた。日本ハムの育成ドラフト1位、宮田輝星(ほくと)外野手(22=福岡大)が照れくさそうに明かしてくれた。「そうなんです。高校3年間、同じクラスでした」。

相手は一躍、時の人となった一山麻緒(22=ワコール)。名古屋ウィメンズマラソンで優勝し東京オリンピック(五輪)代表を決めたニュースに、目を疑った。出身校は同じ鹿児島の出水中央高。クラスメートだった。

練習直後の熱がこもった指で、祝福のLINE(ライン)を送っていた。

宮田「おめでとう!返信はいらないよ」

一山「ありがとう。頑張るわ!」

高校時代には「どっちが先に有名になるかな?」と、高め合ってきた。1軍本拠地の札幌で、東京五輪のマラソンが行われることが決まった時には「僕が頑張れば、会えるかもね」と伝えていた。少女漫画を連想させるような? 言葉の数々が、ほほ笑ましかった。

2人の武器は「足」。宮田は100メートルの自己ベストが10秒9で、今は俊足を売りに支配下登録を目指している。今後、どこかで2人が交錯する日が来るかもしれない。やり切れないニュースが飛び交う今、久しぶりに心が温まった。【田中彩友美】

8日、女子マラソン五輪代表を決めた一山
8日、女子マラソン五輪代表を決めた一山