米国などの民間人4人が9日(日本時間同日夜)、米スペースXのクルードラゴン宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。米企業アクシオムスペースによる10日間の旅で、民間人のみの団体がISSに滞在するのは初という。AP通信によると、米国やカナダ、イスラエルの投資家3人が乗客でそれぞれ5500万ドル(約68億円)を支払い、参加した。

船長は同社副社長で元NASA飛行士のマイケル・ロペスアレグリアさん。宇宙の商業利用を進める米航空宇宙局(NASA)も協力している。

8日午前、米フロリダ州のケネディ宇宙センターを出発して20時間余り飛行、上空約400キロのISSに近づいていった。記者会見したアクシオムのマイケル・サフレディニ社長は「6年かけたプロジェクト。わくわくしている」と語った。

4人はトイレや食事など生活の仕方を確認した後、幹細胞や老化などに関する25種類以上の研究に携わる。出発前に長期間の訓練も受けており、NASAは「単にきれいな写真を撮りに行く旅行者ではない。『民間飛行士』だ」と主張した。

宇宙関連企業「有人宇宙システム」(東京)が開発した、光触媒で悪臭を取り除く空気浄化装置の効果検証も予定する。将来、旅行者が宇宙基地の居室で使うことを想定しているという。

アクシオムは2回目の飛行も計画中。2024年以降に商用宇宙ステーションの建設を予定しており、今回を「宇宙での活動を学ぶ先駆的なミッション」と位置付けた。(共同)